資金調達の基本 ~金融機関からの融資をお考えの方へ (28)
10. いざ、金融機関と交渉 ?
今までは融資の仕組みや金融機関の方針などについて説明させていただきましたが、今回からは実際に金融機関との交渉について触れていきたいと思います。
まず、融資の申し込みから実行まではどのくらいの時間がかかるのでしょうか?金融機関の審査期間は、過去に融資取引があるか、どのような資金の使いみちかと必要な資料が揃っているかどうかによって、変わってきます。すでに何度か融資取引があり、短期的な運転資金の申し込みであり、資金繰り表などが揃っていれば、審査の期間は短く、初めての融資取引で、設備投資のための申し込みであり、事業計画などが揃っていないと審査の時間は長くなります。
具体的には、運転資金の場合は、希望日の1?2週間ほど前に、設備資金の場合には、1?2か月前を目安にして申し込みをすると良いかと思います。さらに細かくいうと、月初めや月末や五十日(5や10のつく日)は避け、曜日でいうと月曜日と金曜日は避けた方が良いです。時間帯ですと午後1時過ぎから3時前ぐらいが一番良い時間帯であるかと思います。さらに小雨が降っているときが良いでしょう。
次に金融機関の審査の流れですが、融資するかを協議することを稟議といい、その書類のことを稟議書といいます。金額や担保、保証、評価により支店決済か本部審査に該当することとなります。支店決済は店内稟議や支店長権限、専決といった言い方もします。支店内稟議を経て本部でも協議してもらうことを本部決済といいます。
また、金額の大きい設備投資などの場合は、事前に本部に稟議を上げることもあります。しかし、この事前稟議では通った審査が本部稟議で却下されることもあります。原因の大半は、資料などの不正確さにあります。やはり、事前の準備は大切ということになります。