資金繰りでお悩みの経営者様へ ~資金繰りの基本と重要性~ (11)
5. 売れば売るほど・・・ ?
お金を増やすには売上を増やすようにすれば良いのでは?と思っている方も多いかと思います。残念ながら、売上を増やすだけでは必ずしもお金は増えず、むしろお金が減ってしまう事にもなり得ないのです。
先に黒字倒産について述べました。黒字倒産とは試算表・決算書上利益が出ているのに、お金が足りなくなって支払いができなくなって、倒産してしまう事を言いました。売上もその金額が大きくなればなるほど、それに対応する支払いも増え、最終的にはお金が足りなくなってしまうのです。
仕入や経費を増やさずに、売上だけを増やし、それも掛売りだけではなく現金販売だけでしたら、資金繰りは改善するでしょう。現実的にはまずあり得ません。単純に商品の値上げだけをすればそのようになる可能性はありますが、レアなケースと言えるでしょう。大体のケースはその逆で、売上が欲しいばかりに値下げをして販売個数を増やして、売上の金額を増やそうとしますが、これは利益率の悪化を招き、資金繰りも悪化してしまう流れになってしまうのです。売れば売るほど、1個当たりの利益率が下がり、その分赤字を発生させてしまう事になり得ないのです。
一番良いのはこのようにならないように、利益率(粗利益)を変動させないように販売を徹底的に管理して、安易な値下げなどはしないことでしょうが、これは容易な事ではありません。大体は上のようなパターンになってしまいます。別にこの事がいけない事だ言っているわけではありません。むしろ自然の流れだと思います。
ではどうすれば良いのでしょうか?このような事が発生することを頭の片隅に置いて、銀行などから融資を受けて早め早めに資金繰り対策をしていけばいいのです。資金繰りを安定させ、売上や利益を増やすための営業活動に専念してもらいたいです。お金の心配が常につきまとっていると営業活動には専念できません。