資金調達の基本 ~金融機関からの融資をお考えの方へ (2)
1. どこで借りる? 貸してくれる? ?
金融機関に関する言葉として、貸し渋りや貸し剥がしというものがあります。貸し渋りというのは、お金を貸すのになかなかうんと言ってくれないことです。業績が悪化しているわけでもないのに、お金を貸してくれない、貸すことを渋っていることから、このような言葉となったのでしょう。実際にお金を貸す、貸さないの判断は金融機関が行うことなので、何ともいえないところですが、経営者様から見れば、何か意地が悪いなと感じてしまうこともあり、この言葉が有名なのでしょう。
一方、貸し剥がしというのは、金融機関が融資の返済期限の前に返済を迫ってくることです。返済期限の前に返済する必要はありません。また義務もありません。これらに応じる必要はないのですが、金融機関からの圧力に屈して応じてしまった経営者様もいました。このようなこともあり、貸し渋り、貸し剥がしについても金融機関のマイナスのイメージとして、頭の片隅に残っている経営者様も多いかと思います。
金融機関の監督先は金融庁です。今では融資先に上のような行為をすることは禁止されています。ですので、貸し渋りや貸し剥がしといったことは、まずあり得ないということとなります。ですが、事業の内容によっては、同じような業績でも、貸してもいいところと貸したくないところがあるのも事実なのです。
さて、経営者様が最も気がかりなのは返済だと思います。お金を借りるのは、返すことなどを考えると、良いイメージを持っている方はあまりいないと思います。しかし、このイメージにより、資金調達の判断を遅らせる原因となり、この遅れが原因で最悪のケースとして、倒産してしまうこともあります。
返済について万が一、苦しくなった場合は、返済を一時的に止めてもらったり、返済額を少なくしてもらったりとすることができます。これについては触れませんが、金融機関と交渉すればこのようなことも可能なのです。もちろん、簡単なことではありません。頭の片隅に置いていただければと思います。