会社設立時の資本金の平均額は?資本金の考え方と金額設定について(後編)
資本金は会社を設立する上で欠かせないものですが、会社設立にあたり資本金の金額をどう設定するかの基準があるわけではありません。
そこで今回は資本金を設定する場合の考え方や設定金額についてご紹介していきます。
資本金を設定する際のポイント
資本金を設定するにあたって考慮しなければならないのは、主に以下の3つのポイントです。
⚫︎会社設立時に必要な初期費用と運転資金
会社設立直後から順調に売上が上がり、初期費用や運転資金をすぐに確保することは難しいものです。ですが会社を設立すると売上が発生しなくとも経費が発生するため、この経費を支払う必要が出てきます。
資本金は会社設立時に会社の口座に入金されているため、会社設立直後の支払いに資本金を充てることで当面の経営を成り立たせるのが資本金の役割の一つですので、資本金を設定するにあたっては会社設立時の初期費用と半年ほどの運転資金を足した金額を設定しておくと良いでしょう。
⚫︎事業の許認可要件を確認する
許認可が必要な事業を開始する場合、事前に必ず許認可要件を確認しておきましょう。許認可の要件に資本金が含まれている場合があり、この金額を下回る資本金を設定した場合、許認可が下りず事業開始できなくなります。
例えば一般建設業の場合、資本金500万円が建設業許可の要件に定められています。同様に人材紹介業の場合も資本金500万円が有料職業紹介事業許可の要件となっています。
このように、始める事業によっては資本金の金額に要件があるため、該当する事業の場合は定められた最低金額以上の資本金を設定しなければなりません。
⚫︎資本金の金額によって税金が異なる
会社設立すると必ず発生する「法人住民税」は赤字経営でも均等割分の金額を納める必要があります。東京都の場合、資本金が1,000万円以下で従業員数50人以下の場合の均等割額は7万円ですが、資本金が1,000万円以上になると均等割額は18万円になります。
また、資本金が1,000万円以下の場合は消費税の免税を受けられる場合がありますが。資本金が1,000万円を超えてしまうと会社設立の初年度から課税されることになります。
このように資本金によって会社設立時に発生する税金も異なるので注意が必要です。
資本金の金額設定は会社設立から3ヶ月〜半年分の運転資金を目安に
資本金の金額を設定する場合は、会社設立から3ヶ月〜半年分の運転資金を目安に金額を算出し、設定すると良いでしょう。
会社設立直後に売上が発生しても、入金までに1〜2ヶ月かかる場合もあり、その間にも経費が発生することから、資金繰りに余裕を持てるだけの運転資金を予め用意しておく必要があります。資本金の金額があまりに少なく運転資金がショートすると未払いがが発生するなど会社経営において極めて重大な問題に繋がります。
会社設立にあたっては、設立から3ヶ月〜半年分の運転資金を目安に、初期費用の支払いも可能なだけの金額を資本金として設定しておくことで、資金繰りに関するリスクを少しでも減らしておくことをおすすめします。
会社設立には資本金だけでなく様々な課題があるため、専門家の力を借りることも重要です。篠田税務会計事務所なら、経験豊富な税理士が最適なアドバイスをいたします。会社設立でお困りの場合はぜひ篠田税務会計事務所へご相談ください。