個人事業を法人化するメリット・デメリット(後編)
前回は、個人事業を法人化した際のメリットを紹介してまいりました。メリットは大きく、法人化を視野に入れ始めた人も多いのではないでしょうか。一方で法人化することによって個人事業に比べてかかるコストや税金もあるのが事実です。メリットとデメリット両方を知った上で法人化を検討することができるように、今回は法人化することによるデメリットとしてご紹介していきます。
●法人化するデメリット
♦法人化にあたっての費用
法人化する際資本金は1円から可能となりますが、公証人の手数料5万円と登録免許税15万円の合計20万円は発生します。資本金は自分で自由に決めることができるので、法人化するにあたって必要な費用は、「資本金+20万円」ということになります。
♦7万円の住民税
事業が赤字になってしまった場合、個人事業主であれば所得税や住民税は発生しません。しかし法人の場合は、法人住民税の均等割という税金が赤字の大小にかかわらず年間7万円かかってきます。
♦社会保険加入の義務
個人事業主であれば社会保険への加入は任意ですが、法人では加入が義務づけられています。これにより追加のコストはかかってきます。ただ、社会保険加入により補償が充実するメリットもあります。
♦税理士費用がかかる
毎年の確定申告を行う際、個人事業主であれば確定申告書を作成しますが、法人化すると毎年会社の決算を組んで法人税申告書を作成します。法人税申告書を作成するには一人では専門性が高く難しいため、通常税理士に依頼することが一般的です。今まで個人で確定申告を行っていた個人事業主は、税理士費用が追加で発生することになります。もし、個人事業主時代から税理士に依頼していたという人でも、費用は高くなるため、頭に入れておいた方がよいでしょう。
~まとめ~
今回は個人事業主が法人化した際のデメリットについてご紹介してまいりました。紹介したように、主に費用面で追加でかかってくる部分はありますが、利益が出ている個人事業主は節税などの面をみても、デメリットよりも法人化によってもたらされるメリットの方かはるかに上回っていると言えます。
法人化を行った際のメリット、デメリットどちらも知識として持ったうえで、賢く節税対策に取り組んでいきましょう。
当事務所では法人化にあたっての詳しいサポートを行っています。少しでも検討していらっしゃれば、まずはお気軽にご相談ください。